「師匠、すっかりご無沙汰してしまいました…」
「そうよ!どうしたのよ!」
「ええと…。私の恋愛観を発表したらですね、恋愛の達人として有名なある人に、お気の毒な人を見る眼差しで見られまして…。で、落ち込んでいたんです…」
「なんて言ったの?」
「人を好きになる、ということは突き詰めれば『その人が生きていることが幸せ』という気持ちなのではないかと発表したんですが。『何時代の人?』って突っ込まれまして」
「ふーん。それで、落ち込んでたわけね。ふんっ。まあ、いいわ。私はね、今、超ご機嫌斜めなのよ!」
「師匠、どうしたんですか?」
「最近、新顔のチワワの女の子が出現したじゃない? ミュウちゃんって子。みんなあの子のことばっかりかまうんだもん。どういうことよ!?」
「師匠…。意外と、心が狭いですね…。ミュウちゃんは仔犬ですし。人間界でも、オナゴは若い方がいい、という価値観が根強いですからね。ヤングと同じ土俵で戦ってもダメですよ」
「私だって、去年までは仔犬だったのよ!」
「ドッグイヤーですからね。師匠は一年でもう、適齢期ですか?」
「そうよっ! 何よ、アンタなんかアラフォーじゃない!」
「今日の師匠、荒れてますね。そうですよ、アラフォーですよ。でも、先日、30歳のメンズに、『僕よりも年下ですよね?』って言われました! えへへ」
「その男、目がよっぽど悪いか、口がよっぽどウマいか、どっちかね」
「……。分かってますよ。そんなことぐらい。いいじゃないですか、少しぐらい、夢を見させてくださいよ」
「夢ばっかり見てるから、いつまで経っても恋に不器用なのよ」
「恋愛の達人にも指摘されました…。『一本釣りじゃだめだ! 投網漁でいかないと』って。でも、投網なんてしたことないからできませんしね」
「投網したところで、そんな不器用な投げ方じゃ、魚も網にかからないわよ。やるだけ、ムダムダ」
「師匠。今日は毒舌が冴えてますね」
「これからは、凹んでないで真面目に更新するのよ!」
「はい。努力します…」