師匠、今日は尻尾を振ってくれずに、自室のベッドから「あら?来たの?」とチラリと目線を投げてくれただけ…。またもや、ご機嫌が麗しくない模様。
努力に努力を重ねて、「看板犬」としてプライドを持って仕事をしてきた師匠ですが、妹分のルシファーがたいした努力をしてないくせに、最近、人気上昇中なのがお気に召さない様子なのです。
「ふんっ。何よっ。ルシファー、ちょっとルックスがいいからって!」
「師匠。人間界でも、ルックスが良いということはそれだけでプラス査定されますからね。しょうがないですよ」
「あら? あんたもルシファーの味方なの?」
「そういうわけじゃ…。でも、師匠だってファンが多いじゃないですか。ちょっとぐらい、ルシファーが注目を集めたぐらいで、師匠の人気は揺らがないですよ」
「そういうことを言ってるから、アンタはダメなのよ。私は不動のNO1でありたいの!」
「NO1って、師匠、この店はキャバクラじゃないんですから…」
「オンナは努力してナンボなのよ! 分かってるの?」
「分かってますって。だから、私もダイエットに成功しましたよ。アラフォーでダイエットって、相当な努力ですよ!?」
「あら?アンタも、私が最近、ぽっちゃりしてきたって言いたいわけ? ダイエットしろと!?」
「いいえ…。師匠はそのままで可愛いからいいです。ただ、私は師匠に頑張りましたよ、と報告したかっただけで…」
「なら、いいのよ。ふーん。そういえば、痩せたわよね。何㎏痩せたの?」
「5kgと少し」
「そんなに痩せたら、私、消えちゃうわよ。いまだって2㎏少々しかないんだもの」
「少々の部分が、師匠の場合、曲者ですね(笑)。師匠の体重に換算したら、500g減したのと同じぐらいですね」
「うっ、それはけっこうなダイエットね。オンナは努力よ。そうよ、それでいいのよ」
「お褒めいただき、ありがとうございます。いくつになっても、努力する気持ちを忘れない所存でございます」
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