なにをするかと言いますと。草履のかかとのゴムを交換するためです。
真ん中のかまぼこみたいなやつが、草履のゴム底。
これが、本当に消耗するんですよ。
今までは、履物屋さんで修理してもらっていたのですが、引越しと共に履物屋さんも遠く離れてしまい、「ならば、自分でやるしかない」となったわけで。
やってみると、案外、簡単なんですけどね。作業風景は、エレガンスとは程遠く、ねじりはちまきが似合う感じ。
エレガンスを保つためには、ひそかにワイルドな作業が必要なのでした。
ちなみに、草履のゴム底はネットショッピングで簡単に手に入ります!
着物道は、このように「お手入れをしながら、長く使う」という精神が培われます。高度経済成長期以降に発展した、使い捨て文化のまっただ中に生まれた私たちにとって、「お手入れしながら長く使う」という精神は、あらためて習得しなくてはならないものになってしまいました。
バブル崩壊以降、デフレが止まらず、洋服や靴、バッグなどのオシャレアイテムも、価格がどんどん下がってきて、「ワンシーズンで終わり」みたいな感じになってきてますよね。
ある程度、年齢を重ねたら「よいものを、長く使う」という精神が美しいことが分かってくる。そんなときに、着物と出会うと、とっても楽しい毎日が送れるんじゃないかな、と個人的には思うのです。
時々、大工道具を引っ張り出しながら、「大切に使う」ことをシミジミするのも着物道の醍醐味です。