私自身、いろいろなところで着物を買いました。
デパートやファッションビルに店舗のある、チェーン店。
問屋さんの展示会、老舗呉服店、リサイクルショップ…。
そして、得た結論は、「着物を買うときに洋服を買うときと
同じような感覚でいてはいけない」ということです。
着物、のみならず、和装関係の業界は私たち素人にはわかりにくい
伝統や格式、慣習的なものがある業界です。
「伝統や格式」などと言うと、エルメスやルイ・ヴィトンなどを彷彿とさせますが、
それとも、一味も二味も違います。
そして、価格もピンからキリまででです。
そんな着物業界でファースト着物を誂えるとき、どうしたらいいのでしょうか?
これは、あくまでも、私の個人的な意見であることをご了承くださいね。
①購入場所
呉服店で買うのか、デパートで買うのか。
ゆくゆくはその違いが分かってきて、それぞれの特性を理解したうえで、
どちらで買うのか? を決められるようになってきます。
また、頼れる親や姉妹、親戚、友人がいて「馴染みの呉服店」に
連れて行ってくれ、購入のアドバイスをしてくれる、そんな場合でしたら、
アドバイザーの指南を受けるのがいちばん、でしょう。
しかし。
頼れる人はいません、という場合。
私はデパート、百貨店に行かれることをお勧めします。
なぜならば…。
着物業界の慣習的なものがあまり濃くないからです。
たとえば。
着物業界というのは、不思議なぐらい「期日」がゆるい。
「○日ぐらいにはできると思います」という「ゆるい」答えはいただけますが、
明確に「○日までにお仕立てあがります」という回答を即答してもらうのは難しい。
「できたらご連絡します」というお店のなんと、多いこと!
私はこの21世紀に、こんなに「のんびり」とした雰囲気を味わえるのは
和の世界ぐらいだろうと、「のんびりプレイ」として楽しんでいますが、
そうでない人も多いと思います。
このあいまいな答えの理由は、
和裁士さんなどの職人さんたちのお手すき状況が分からないし、
そもそも、人的作業なので確約しにくい、などそういった事情があるのでしょう。
(それを言うならば、私も人的作業で原稿を書いていますが、
どうして「○日までに!」と確約しちゃうのでしょうか?)
まあ、着物業界も求めれば明確な期日を回答してくれるのかも知れませんが、
全体的に「ゆるゆる」とした時間が流れているのは事実です。
とはいえ、デパートならば、そういった「ゆるゆる」加減もほとんどなく、
デパートとしてのスタンダードな接客が受けられます。
ほかにも、こちらの予算などの都合にシステマティックに対応してくれるので、
いらぬストレスを感じることもありません。
呉服店の場合、客と店の距離が大変、近くて、
「○○様がお好きそうだと思って」と自動的にお取り置きされていたり。
なんていう事態が起こりえます。そんなときに、
「今日はいいわ」と言える人ならいいのですが、
「そうですか」と買ってしまうタイプは要注意です。
もっと肝っ玉を大きくしてから暖簾をくぐるようにしたいものです。
ということで、結論。
「頼る人がいないビギナーさんは、デパート(百貨店)の呉服売り場へ」
次回は「気になるお値段」についてお話します。