着物が心地よい季節になりましたので、先週はすべての外出を着物で通しました。
取材も着物で出かけたのですが、先方のリアクションも、「栗原さんは普段からお着物
なんですか?」と聞かれただけで、ドン引きされることもなくて嬉しかったです。
着物を着続けていると、私の場合、洋服のコーディネートを考える思考回路が弱ってしまい、
「何を着ていけばいいのか、思いつかないので着物にしました」
という状態になります。幼い頃から、脳のキャパシティが狭くて、
幼稚園入園前、ワタクシ、3年保育だったので3歳になる前ぐらいのことですが、
その若さで、自宅の住所と電話番号をスラスラと言えたのです。
そのため、「このコは賢いっ」と近所でも評判の子供でした。
でも、幼稚園に入園したら、お友達のお名前とかお遊戯の振り付けとか、
覚えなくてはいけないことが山盛りだったので、すっかり住所と電話番号を忘れました。
「たかちゃん、おうちの電話番号は?」、「わかんない…」
近所の人たちは、もう二度と「賢い」と言ってくれなくなりました。
そんな脳なので、着物に脳を使うと、洋服の分が侵略されていくのでしょう。
クローゼットをあけたときに「こんなスカート、あったっけ?」と
新鮮な驚きを感じた自分に驚きました。
とはいえ、今は着物脳モードなので、着物のことはガッチリ記憶しています。
10月30日は気温が高かったので、豪徳寺に着ていった単衣の格子の大島を着て行きました。帯留めは花札柄です。猪鹿蝶の三種類があったのですが、蝶を選びました。本当は、猪鹿蝶が揃った奴が欲しいです。あ、松桐坊主もいいですね。五光とかも。花札、好きなんですが、花札の遊び相手、あまりいませんね。雀荘みたいな場所があったらいいのになあ、と思います。最近ゲーセンでも花札ゲームないし。ダイソーで買ったゲームのソフトでたまに、遊んでます。
この帯留めは、すごくひと目を引くようで、「可愛いですね」と、声をかけて頂くことが多いです。ですが、ワタクシ、自分ではあんまり見えないんです、帯留めが(太鼓腹の殿方がご自分の「持ち物」が見えないのと同じようなものですね)。ですから、「可愛いですね」といわれたときに帯留めのことだ、と瞬時に気付かないんですね。そのため、『え? 私? 可愛い?』と、血迷ってしまうのです。もちろん、血迷っているのは一瞬なのですが、ひとりで照れて、ひとりで焦っているわけです。じつは。
11月2日は『InRed』の連載の取材でした。詳しくは12月7日発売の号をお待ちくださいませ!ワタクシ、まるで「自分の店をようやく持てて、微笑んでいる女将」みたいです。お客に見えないのは、どうしてなのでしょう? でも、そんな自分が面白いです。
写真のタイトルは「あら、スーさん。お久しぶりね」です。
「おビール? それとも、熱燗にします?」
外出するときは着物ですが、自宅及び自宅周辺では洋服です。パグ犬風太との生活には着物は不向きですから。普段着ている服は、8割ユニクロです。安価で洗濯に強いのは言うまでもありませんが、カラーバリエーションが豊富、ということが愛犬家に指示される所以だと思うのです。犬は種類によって毛の色が異なります。すなわち、「抜け毛が目立たない色の洋服」も愛犬によりけりです。加えて、「飼い主に似合う色」という条件もありますから、「抜け毛が目立たなくて私に似合う色」を探すのは、けっこう大変なのです。そういう意味でも、ユニクロは頼もしいのです。
脱線しまくりましたが、今、私はすっかり着物脳モードなので、
着物をますます、楽しみたいです。