ここ数カ月、母と私のこれまでのパワーバランスに変化が起きております。
私の母はいわゆる、団塊世代。娘の私は団塊ジュニア世代です。年の差は23歳ですから、私が成人したとき、母はまだまだ40代前半。母親自身も「まだまだ若い」と思っております。
そこで、「娘も成人したことだし、親業務から解放されるわ」となってくれればよかったのでしょうが、いかんせん、仕事はしてもパート勤務のほぼ専業主婦で生きてきた人にとって、そう簡単に子育て業務をリタイアできないのでしょうね。
よって、娘が成人した以降も何かと娘の人生に強い影響を与えるわけです。
私は早々と実家を出たこともあって、割と自由きままにやってきたほうだとは思います。でも、それでも「こうしたほうがいい」とか何かにつけていろんなコメントをされてきたわけです。
しかし。団塊世代と団塊ジュニア世代には、世代間の違いがあります。
母からのコメントや影響を「なんだかな」とは思いながらも、赤子から幼児期、未成年時代から続いてきた「お母さんの言うことをきく」という「習慣」で、うっかり母親の言うことを聞いてしまったりするわけです。
けれど、娘がアラフォーにもなってくると、さすがに親も年をとってくるわけでパワーダウン。一方の娘は、社会的にも自信をつけつつありますから、親子関係においては、少しずつ、娘のパワーのほうが勝ってくるわけですね。
私の母娘関係の場合、ここ数カ月が、そのパワーバランスの変換期だったのでしょう。
駄々っ子のようにわがままを言う母。
そんな母を論理的に諭す娘。
という関係に入れ替わりました。しかも、娘の私は学生時代のアルバイト歴も入れたら、20年も継続して働き、社会で揉まれ続けてきているわけです。とくに、後半は15年くらいフリーランスですから、逞しさレベルはかなりのハイスコア。
お母さん。口論を挑んだ相手が悪いよ……。
と、内心では思いますし、それなりに手加減もしているつもりですが、母としては初めて味わう敗北感ですから、受け入れがたい様子。
そんな様子は分かっていても、本音を言えば、「ようやく娘を卒業できる」という解放感に包まれています。
親が庇護してくれていたこと、庇護しようという思いから強い影響力を発しようとしてることは分かるし、感謝をしている。その感謝の気持ちが薄れたわけじゃないし、むしろ、自分が年を重ねれば重ねるほど、親の苦労も分かるようになってきている。
でもね、娘はもう立派な大人なのですよ。
そして。
社会全体を見渡しても、私の母娘関係にみるような「世代交代」がうまく行われていないことが、いろんな弊害を起こしているようにも思うのです。