8歳半になりました。
お顔が、だいぶ白くなりました。風太が寝ているベッドは、大のお気に入りなのですが……。コレ、元はただの段ボール箱なんです。
通販の品が入っていた段ボールを、わたくしの妹が捨てるために潰そうとしていたところに、風太が、
「ちょっと、待って。その箱、捨てないで」
とばかりに、作業をしている妹の腕に自分の前足を乗せたのだそうです。
「風太くん、この箱、いるの?」
と妹が聞くと、箱の中に入りご満悦。
そこで、試しに座布団や毛布を入れてみると、
「これ、僕のベッドにするね」
となったのだそうです。段ボールそのままじゃあ、捨て犬みたいだ、ということで。布を貼り付けてデコレーション。
冬は毛布を、今の季節はわたくしが、オリンピックで購入した犬用の冷え冷えマットを敷いています。
既製品の犬用ベッドよりも、この段ボールベッドのほうが断然、お気に入り。
サイズがいいのか。質感がいいのか。「よさ」のツボがまったく分かりません。そもそも、どうして「その箱、いいな」と思ったのか。
犬って、不思議。
涼しいからいいのか、オシャレだと思っているのかはわかりませんが、こちらもかなりのお気に入り。
首に巻くとき、自分から頭をニューっと突き出してきて、とても協力的です。
風太がやってきて、もう6年です。
君がきたときは、わたしもまだ、30代前半だったんだね。もう、介護保険料を払う年になっちゃったよ。あっという間だったね。
うちに来たばかりのころは、お散歩もできない。街で会う犬はぜんぶ怖い。人見知り。お留守番、したことがない。外を歩けば足を擦ってしまい、出血。わたしの自作の靴を履かなかれば、お散歩に行かれなないワンコでした。
手間も時間もかかる、ワンコでした。
それが、今ではそんな大変だった日々が、懐かしい、と思えるようになりました。