恋愛したい、彼氏が欲しい。
と言うならば。やっぱり服装は大切だと思います。
「オトコ受け狙ってる」と考えちゃうと、計算高い感じがしてアレですが、クジャクだって、オウムだって、オスは見た目でメスを誘うじゃないですか? ライオンだって、「たてがみが立派なオスがイケてる」わけだし、ビジュアルを重んじるのは、なにも、ホモサピエンスに限ったことじゃないですのね。
鳥や動物の場合は、どうしてもオスのビジュアルが重視されがちですが、ホモサピエンスの場合は見た目は女性にとっても大切なことです。
年齢を重ねると、どうしても、「わたしは、こういうファッションが好きなの」と、価値観が固まっていたり。はたまた、「ラク」とか「暖かい」といった実用性を重んじてしまいがちです。
しかし。
モテるか? という尺度で検討した場合、不正解、ということが残念ながらしばしばある。
思いこみファッション、実用重視ファッションの落とし穴に、ずっぼりハマる前に、気付きたいものですね。
では、着物はどうなのか? と言いますと……。
「三十路くらいから、「日本の文化に目覚めたの」とか言って、着物にハマる女が多い」
というような、「モテない女が伝統文化に傾倒する」的な雑誌などの記事をよく見ます。
まるで危険行為であるかのような扱われ方に、わたくし、「着物を悪く言わないで」と思ってきました。
確かに、彼氏がいないことによる時間的余裕を、伝統文化への傾倒にすべて捧げてしまうと、それは痛い女になってしまうと思う。
けれど、痛い女になっちゃうのは、着物をはじめとする、伝統文化のせいではありません。
それを、趣味とする本人のスタンスの問題なんだと思うのです。
だって、だって。
「日本人女性としての、たしなみですから」
くらいの、スタンスでいれば着物はモテ服になり得るのですよ。
だいたい、男の人は女の人が「自分以外」のものにハマることを嫌がります。「自分をみて」欲しいからでしょう。アイドルのおっかけが、非モテ行為なのは、「アイドル以外、眼中にない」という姿勢に問題があるわけです。
ですから、傾倒、と言わしめるレベルにまでハマると、どんな高尚な趣味でもどん引きされること、間違いありません。
そこで、使いたいのが「たしなみ」というフレーズです。
着物を通じて、女らしさを嗅ぎ取ってもらう作戦です。
着物仕様の動作に慣れると、洋服のときでも、振る舞いが上品になります。そして、そのことに気付く男性が多いこと、多いこと!
「上品ですよね」
「動作が女性らしい」
「食べ方がキレい」
といった、賛辞をいただくことが、よくある。これも、着物が「エレガンス養成ベルト」の役割を果たしてくれたおかげなのだと思います。
つまり、「着物を着ている」ということだけでは、着物はモテにはつながらない。熱中すればするほど、「男がいないから、伝統文化に傾倒しちゃった痛い女性」扱いをされる恐れすらある。
しかし、「たしなみです」というスタンスを保ちながら、着物を通じてエレガンスを身につければ、それが、モテにつながるわけです。
「着物なんかに手を出したら、モテない街道、まっしぐらだわ」
と、躊躇されている方がいらっしゃいましたら……。それは、スタンスの問題ですので、どうか、ためらわずに「エレガンス養成ベルト」だと思って、この世界に飛び込んでくださいね!