先日、美容皮膚科のセンセ(美人)と、美容師さん(イケメン)に、
「栗原さんは、ヘンな出来事や人によく、遭遇しますね」
と、立て続けに指摘されました。
言われてみれば、そうかもしれない。
昨日も電車に乗っておりましたら、奇妙な光景を目撃しました。
電車はまあまあの乗車率で、私は吊革につかまって立っておりました。
目の前にスケッチブックに絵を描いている、自由業風ないでたちの40前後の男性がおりました。
製図用の芯の太いシャープペンシルで、写実的なタッチで、うつむき加減の女性の顔を描いておりました。
『うわ、上手~』
と、ガン見しました。千鳥格子のマフラーをした若い女性の絵が、私の目の前でどんどん、完成していきます。
顔、髪、マフラーがひとしきり描きあがると、肩、そして、体が足されていきます。
『へ?』
ボディゾーンを描いている様子を見て、わたくしは、この絵がヘンだということに気付いたのでした。
『この女の人、裸なの?』
もしかしたら、裸っぽく描いてから後で服を付け足すのかもしれない……。そんな風に思ってもみた。でも、どうも違うっぽい。ボディラインを念入りになぞってるし。熟考の末、おへそを描いてたし。
裸にマフラーというのは、なんといいますか、芸術的というよりも、どちらかというとエロなんじゃない?
『これは、新手のわいせつ系の犯罪のひとつなのかしら? 電車の中で裸婦を描くと言うのは、罪になるのか? でも、絵そのものは上手なわけだし。でも、上手だからといって許されるのだろうか? っていうか、どうしてこの人は、わざわざ電車の中で裸の女の人の絵を描くの? あ? これからプレゼンとか? きっとそうよね。時間がなくて、それで、仕方なく描いているに違いないわね……』
この男性が車内で裸の女の人の絵を描いている、正当な理由を見つけようとフル回転する私の脳みそ。
あれは、一体、何だったのだろうか。
一晩寝ても、気になります……。