前にも、似たようなことを書いた記憶があるのにも関わらず。
くどいようですが。
メールを送り、送られることが日常になって、幾年月。
みんな、当たり前にメールを書くせいでしょうか。
「文章なんて、自分でも書けるでしょ。だって、メール書いてるし」と
思っていると思しき人たちが巷に溢れておりますね。
わたくし、僭越でございますが、この15年ほど、筆一本で生計を立てて参りました。
ですのでね。
文章については、一家言あってもよい立場だと自負しております。
だから、声を大にして言いたい。
「学校に通っていた時代に、作文や小論文を評価されたことがなく、
ここ数年、まともに本や新聞などの活字を読んだことがないという
全ての人は、自分は文章は上手ではない、
むしろ下手くそな部類に入るのだと自覚すべし」。
先だって、私の書いたメールに対して「意味が分かりません」と指摘してきた方がいた。
大人の対応でぐっとガマンしたけれど、ガマンしきれず、こんなブログを書いているわけです。
大人げなくてすみません。
ですが、
「意味が分からないのは、私の文章のせいではなく、あなたの読解力の問題です」
と、言いたいところをグッとこらえた次第なのです。
どうして、自分に一切の非がないと思い切れるのでしょうか。
「わたくしの理解不足かも知れないのですが」
とかね。
「今一度、確認をさせてください」
とかね。
角を立てずに、穏便にことを運ぶ言い回しってあるでしょう?
なのに。
直球で、「あなたの文章の意味が分からない」ときたもんだ。
その、表現の幅の狭さ自体、文章のセンスのなさの現れ以外の何ものでもありませんが。
しかも、筆一本で食べている人に対して、なので、
わたくしの地雷を踏んだ次第です。
さらにさらに、その先だっての先だってに、さくっと「文章を寄せてくれ」と頼んでこられた方がいた。
それは。
自宅に遊びに来た美容師さんに、「ちょっと前髪切って」とお願いするようなものであり。
シェフの家に遊びに行って、「何かおいしいものを作って欲しいな」と言うようなものであり。
整体師さんに「肩もんでくれない?」というような、
大工さんに向かって「ちょうどよかった。犬小屋を作ってよ」というような、
失敬な発言であるということが、分かっていただけないのだ、という残念な気持ちで
心がどんよりと曇り空になった、出来事でした。
いずれの方も、私の職業をご存じなので、
なおさら、なのです。
しかし。
もしかしたら、私自身も知らず知らずのうちに、
その人の侵してはいけない「大切な場所」を
土足で踏みにじってきたのであろうという
現実に、同時に寒気もするのです。
他人の姿は、自分自身の映し鏡でもあるわけで。
とどのつまりは、反省。