久しぶりに着物の箪笥の整理をしました。私にとって、女子力をアップする”儀式”です。
箪笥の引き出しごとに中身を出して、ベッドに広げます。よく着る紬系の着物は帯とのコーディネートを想像。着物を出してしまって、を繰り返す時間。「オンナに生まれてよかったわ」と思う至福の時です。
この二枚の着物は叔母から譲りうけたものです。寸法が微妙に合わないので、着付けの仕方で工夫して着ています。
これまた、叔母から譲ってもらった着物。あまり袖を通していなかったので湿気を取るために、しばし、吊るしておくことに。この部屋は南向きで日当たりがよいので、着物に直射日光が当たらないようにと陽が傾き始める4時ごろから作業を始めたのですが、それでも、まだ、ちょっと陽が当たってしまい…。陽の差し方が長くなったのだな、と、春の訪れを実感。あわててカーテンを閉めました。
着物と帯をたとう紙に包み、たとう紙の表に「紬(紺)」、「花刺しゅう帯」などと中身を鉛筆で書きます。ときどき、羽織って鏡に映したりしているので、なかなか作業がはかどらないけれど、それも、また、楽しいのです。
着物は湿気を嫌います。そこで、箪笥の中には除湿剤を入れているのですが、これが、けっこうすぐにゼリー状になって、「お取替え時期」になるのです。湿気を放置していると、カビてしまうので、最低限、除湿剤の交換だけは注意が必要。虫食い対策よりも除湿のほうが大切なのです。
着物は着る前日には出して衣文掛に吊るしておきます。このとき、バスト周りや袖など、目立つ場所にシワがないかをチェック。シワが寄っていたら、アイロンをかけます。
アイロンは「絹」の目盛りにセット。あて布をしてスチームは不要です。
そして、脱いだ後も衣文掛に吊るします。脱いだ後、どのぐらい吊るせばいいのか? というと、「半日ぐらい」という人もいれば、「1日」という人もいます。私は、その時期の湿度具合と、自分の発汗具合で判断するのがよいと思います。とはいえ、あまり長い期間、吊るしっぱなしにすると日焼けによる色あせや着物の重みで縫い目がズレてしまうなど、着物へのダメージが発生する場合があるので、要注意!
着用前、着用後、いずれも帯も一緒に吊るしておきましょう。帯揚げも湿気を含んでいるので、吊るしておきます。
着物を吊るすときは、着物に直射日光が当たらないように気をつけて。
こういう作業が「面倒くさい」と感じる人もいるかも知れません。面倒かも知れないけれど、慣れてくると「わたしは今、とっても女らしい作業をしているのだ」とうっとりしてきます。何ごとも慣れです。慣れてくれば、着物を畳むのもパッとできるようになるし、アイロンだって上達します。
ちなみに。脱いだ草履や下駄もすぐに収納しないこと。外気に触れせて湿気を飛ばしてから箱に入れます。靴と同じです。
モノを大切に扱うことを覚えると、暮らし方にゆとりが生まれるように思うのです。そして、そんな自分を前よりも、好きになってくるから不思議です。