またもや、更新のお約束が果たせず、ごめんなさい。
今回はずっと保留になっていた、頂き物の着物の「費用編」をお話しします。
今年1月、祖母の着物を4枚、譲りうけました。が、当然、寸法が合いません。
そこで、呉服店に持参して、「洗い張り→仕立て直し」をすることにしました。
気になるのがその、費用ですね。
まず、大前提として、「費用は店によって変る」ということです。
洋服のクリーニングでも、お直しでもお店によって価格が違うものですが、
それと同じことです。なので、下記の金額は「目安」として考えてください。
○洗い張り 1枚 約9,000円(内 トキハヌイ2,000円)
○仕立て代 単衣/約28,000円、裏衿/約2,000円
○仕立て代 袷 /約30,000円、八掛/約16,000円、羽二重/約15,000円
*八掛、羽二重は洋服でいうならば、裏地
つまり、
洗い張りをして単衣の着物に仕立て直した場合、1枚に付き39,000円
洗い張りをして袷の着物に仕立て直した場合、1枚に付き70,000円
それだけの費用がかかるのです。
「え~! 高いじゃん」と思うことでしょう。私も今、計算してみてそう思った。
ですが、冷静に考えてみると、仕立て代に関してはまったくの手作業なのですね。
私が原稿を書いてお金をいただくことと、同じだわ!と思うと、
「だ、妥当というか、安くない?」と思えてくるから不思議です。
着物一枚を仕立てるのに、どのぐらいの時間がかかるのか分かりませんが、
3日で1枚だったら、日当は1万円。
そこから、光熱費とか通信費とかの諸経費を差し引くわけですね。
作家モノで一点モノなんていう反物にハサミを入れるプレッシャーとか、
「お預かりしている間に、泥棒や火災が起きたらどうしよう」と心配することとか、
いろいろ想像するとそんなに高い、とはいえないことが分かります。
それどころか、
「目が疲れるだろうな」、「肩がこるだろうな」、などと考えると、
着物の仕立てで生計を立てるのがどれだけ大変か、ということに思い至ります。
と、話しがズレちゃいましたが…。
ここまでお金をかけて作りなおすわけですが、
私はこれらの着物を、少なくとも15年は着ることでしょう。
体型に目立った変化がなければ、20年は着る。
そう考えたら、そんなに高くはないかなあ。とも思う。
けれど、お金がかかるのは事実。
頂き物の着物ですから、「色や柄が気に入ってどうしても欲しかった」とは
言えないこともあるでしょう。
だったら、お気に入りの1枚を新品で購入したほうがいいという考え方もあるし。
一番、嬉しい「頂き物の着物」は直さずに着られる一枚です。
自分と同じような背格好の着物好きの親戚や知人がいるアナタ!
超ラッキーです。仲良くしておきましょうね。