今、東京は雪です。しかも、けっこう積もってる。
先週の今頃、那覇空港のDFSを眺めたりして、石垣島への飛行機の乗り継ぎ時間つぶしをしていたのが夢のようです。
雪を眺めていたら、「旅ルポ パート2」を書くテンションが保てなくなりそうだったので、沖縄ソングCDをセット。♪ハイサイおじさん♪と口ずさんでおります。
昨夜の続きです。2日目の 竹富島では、レンタルサイクルを借りて島内めぐりをしました。途中、何度か雨に見舞われてしまいましたが、雨もまたオツなものです。生い茂る植物たちが発している、力強い生命力。植物にとって、雨は命の源。「あいにくの雨だ」と観光客がガッカリしてはいけないのです。観光客たちのお目当てであるこの島の雄大な自然は、恵みの雨なくしては育まれないものなのですから。
「神聖な気分になってくるねえ(しみじみ)」
傘を差しながら自転車をこぐという、アクロバティックな運転をするA子に羨望のまなざしを送りつつ、『あんなことをしたら、多分、救急ヘリで石垣島に搬送されるハメになる』と、パーカーのフードを被る私。雨に濡れても、なんだか幸福な気分でした。負け惜しみではなく。
雨が降ってきたので、木の下で雨宿り。1月の下旬でもこの日は気温は高めだったそうです。通常ならば、風が冷たく、このぐらいの服装ではちょっと寒いそう。ちなみに、トップスはキャミソール+パーカーのみです。パーカーの下に長袖のカットソー着てましたが、「暑いから脱ぐ」と道端で脱ぎました。
足元はスニーカーが一番でしょう。舗装道路がほとんどありませんので。
この後、水牛車に乗車。「川平ちゃん」というメスの水牛の賢さにビックリしつつ、(道はすべて暗記。しかも、川平ちゃん、何か用事でもあったのか、ハイスピードで島内をめぐり、ガイドさんの三線演奏&歌タイムがギリギリに。アップテンポで歌うガイドさん。見事に唄いきり、川平ちゃんとのあ・うんの呼吸を見せてくれました)
竹富島から小浜島への直行フェリーにてホテルに戻りました。
3日目は石垣島泊のため、朝食後、フェリーで小浜島から石垣島へ移動しました。
石垣島ではレンタカーで島内を一周することに。運転手はわたし。え?ゴールド免許ですが? 何か?
ヴィッツのアクセルとブレーキの按配になかなか慣れずに、急ブレーキ、加速しすぎになりすぎる私。「小さい車ってちょっと踏んだだけで、グーンって加速しちゃうんだわね」とセレブみたいな発言をしてみたり。環八を見慣れたアタイにとって、石垣島でのドライブは、ウインカーを曲がる直前に出す現地の車に注意すれば、衝突する恐れはないほどに交通量、少ないです。しかも、マイカーはみんな小ぶりなのです。ワゴンとか走ってないです。
そんな運転で川平湾行ったり、石垣島最北端に行ったりしたのです。
最北端と私。私、2時間のサスペンスものに出てくる、犯人の女みたいですね。トレンチコートだし。ここで、犯行を自白するわけですよ。で、刃物とか振り回しちゃったりして。そこを、船越栄一郎に取り押さえられて、「馬鹿やろう!」と怒鳴られ、嗚咽。ハイ、カット! 「栗原ちゃん、刃物さあ、自分のほうに向けてみてくれない? じゃ、テイクツーね」のロケ地みたいな。
意外と乱暴運転っていうか、暴走運転な私。「これで80kmも出てるの? そんな感じしないわね。あれ? A子ちゃん、大丈夫?」
A子「大丈夫じゃないみたいです」
じつは、A子、朝から具合が悪そうだったのです。ドキドキドライブのせいで、ますます悪化したのかしら? 心配になる私。
私「ホテルにチェックインしましょう」
ホテルで体温計を借りて検温。結果は…。限りなく40度に近い、発熱!
私「病院に行きましょう」
ヴィッツで病院へ。この頃には、私のドライビングテクも多少、ましになっていました…。
この後の顛末は、ここで発表できない内容が含まれているため、自粛します。ネタとしては最高なのですが、残念です。
この一件から得た結論。
「やっぱり、石垣島に来ると、事件が起こるんだねえ」
あれは何年前のことでしょうか。私が始めて石垣島に来たときのことです。4泊5日の予定の旅行でしたのに。台風直撃。飛行機は飛ばず。延泊すること3泊。
台風で延泊、というのは沖縄方面では珍しいことではありません。しかし、3泊も足止めというのは相当、珍しかったようで、現地の人たちもたいそう、同情してくださいました。
確かに、当時も今回も、『帰りたくない』って思いが脳裏をよぎりました。
私、海が見える風景に、激しくグッと来てしまう性質なのです。
これは、石垣島の最北端からの景色です。これには、万人がグッとくると思いますが、私の場合、グッときかたが尋常ではないのだと思います。どんな風に異常なのかというと、このような風景に出会うと飛び込みたい衝動に駆られるのです。グッと来るあまりに。命を終えたい、という衝動ではないんですよ。言葉にすると、どれも陳腐で違うような気がするのですが、強いて言うならば「海にかえらなくちゃ」が近いかな~。大昔、海の微生物だった当時の記憶なのでしょうか? 記憶力が良すぎるような気がしますが…。
このグッと来てしまうがいけないのでしょうか? 今回も、もしかしたら、帰れなかったかも知れないと話すと、みなさん突然、占い師のような口調で「石垣島が引きとめようとするんですよ。栗原さんのことを」と口をそろえるのです。
100歩譲って、そうだとして。石垣島になんのメリットがあるのでしょうか?
こんな私を引き止めて。何をなさろうというのかしら? 石垣島は。
長寿食の郷土料理です。美味しいです。占い師さんに「長くてよろしい」と褒められた生命線がまた、グッと伸びてしまいそうです。年金不安のこのご時勢に、手放しでは喜べません。しかし、私は食べ物を前に撮った写真がもっとも嬉しそうですね。
そんなこんなで。私の命の洗濯旅は終了いたしました。
そして。今。
窓の外は雪。
楽しかったな。
そういえば、居心地が良かったな。石垣島。