2年前の8月15日。ワタクシは電車とホームの間に落ちました。
お盆休みのさなか、千代田線はガラガラで、しかも、落ちたことに駅員さんは誰も気付いてくれず、たまたま居合わせたカップルが助けてくれたようでした。
落ちた瞬間からの記憶がないのです。何事もなかったかのように、電車は発車。しばらくぼんやりホームに立って、「足袋が汚れちゃった」と思っていたことは、妙に、はっきりと覚えています。着物を着ていたのに、着物と帯は無傷どころか汚れもありませんでした。ただ、足首にあざができ、てのひらにはホームのタイルの跡がついていて、「落ちた」のは夢でもなんでもなく、現実だったことを告げていました。
あのまま誰も助けてくれなかったら。電車に巻き込まれていたかと思うと、血の気が引きました。
その日の夜、行きつけのドッグカフェに行き、「私に万が一のことがあったら、風太を頼みます」と、合いカギを渡してきました。
人よりもはるかに寿命が短いのだから、見送るのは私だとばっかり思っていたけれど。そうじゃないこともあるかも知れない。それは、生き物を飼うすべての人に言えることなんだ……。
自分の死を肌で感じても、不思議と死を恐れる気持ちはありませんでした。
あれから2年。
8月15日は、個人的にも忘れられない日となって、今年もまた、やってきました。
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