とある2時間サスペンスドラマの再放送にて。殺人事件の被害者の母親役の人が着物姿でした。大島紬のアンサンブルを着ている。つまり、「日常的に着物を着ている人」という設定ですね。
しかし。
このお母さん、「絶対、日常的に着物を着ていない」人な動き。たとえば、地面に物を置くためにしゃがむ場面。着物の場合、片手をヒップから下に滑らすようにして、着物を足の後ろにピタッとくっつけてしゃがみます。しかし、このお母さん、着物をまるでドレスですか? みたいな感じにふくらませながらふわっとしゃがんだ。
すごーいヘン。
さらに、別の場面では、羽織の裾をお尻の下に敷いて椅子に座ってる。
「羽織の裾をそんな風にお尻に敷いたらシワになりますって」
偽物だ。このお母さん、バッタもんだ。娘が殺害されたのは気の毒だが、そんな動作で「○○家の名誉を守る」なんてセリフ言われてもね、説得力ないよ!
しかもね、もう一人、母親役で出ている女性も着物姿なんですが、こちらの方はちゃんとしてらっしゃる。だから、余計に目立ってしまうのです。
偽物の母さんの着付けもね、すごいダメ。慣れてない人だってことが一目でわかる。出番を待っている間に着崩れたのでしょうが、気慣れている人はこまめに自分で直すから、あんな風には絶対ならない。
こういうことに気付いちゃうと、ドラマの作りが安っぽく見えてしまいます。現場で誰一人、気付かなかったのか? 着付けをした先生とかいたんじゃないのか? 私がこの着物の衣裳提供をしていた会社ならクレームいうわよっ。
こういうことになったらアカンのですよ。分からなかったら、あたしに聞いて! と思った土曜日の午後でした。
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