風太に会いに、火曜日の夕方、実家へ。
しかし、昼間、母が留守にしていたせいで「お留守番をしっかりしなくちゃ」と気を張っていたために睡眠不足の様子。私に会って喜ぶも、「かあさん、ゴメン。眠たいよ」と、ひたすらグーグー眠っている風太くんでした。
一生懸命、寝ている感じが可愛い。
暑くなると、こんな風に四肢を伸ばして寝ます。写真で見ると、生きている感じが伝わりませんが、寝ているだけです。パグ犬は、中国では食用犬だったルーツもあるそうですが……。不本意ながら、「食べられそうだよね」と納得。
水曜日の朝。
実家の1坪ほどの坪庭の窓を開ければ、「いい風が入るね」なのですが、肝心の坪庭が荒れていて「開かずの窓」に。そのことを指摘すると、「片づけようと思っているんだけど、年取るとなかなかねえ」と、都合の悪い時だけ「老人枠」に入る母。
「じゃあ、今、やっちゃおう」と、私の中の貴男が言う。貴子が『今日は暑いよ、やめといた方がいいよ』と囁くけれど、「節電対策、今のうちにしておかないと。本気で暑くなったら、もうできないよ」と貴男。
砂埃がすさまじいので、マスクと母の「もう使わない」というオバはんサングラスを着用。紫色のレンズのオバはんサングラスをかけた自分が、あまりにもオバサンで悲しくなる。オバはんアイテムを身にまとうと、実年齢がくっきりハッキリすることを痛感。若づくりって大切ですね。
手始めに玉砂利をすべて移動するために、せっせと砂利を袋詰め。「石は重い」という当たり前のことを実感。坪庭が荒れていた理由は、父が中途半端に着手した趣味を、中途半端に投げ出したせいです。
作業途中、父の中途半端な趣味と作業への文句を延々と述べる母。
『過ぎたことを愚痴っても始まらない。目の前の作業に集中したい』と思う貴男は、「ムカデとか出てこないよね?」と母の注意をそらす。「ムカデはいないわよ」とまんまと貴男の話術にはまる母。「ムカデに刺されたら大変だよ」とムカデの毒がいかに怖いかを喋り続けました。
ガテン系男子のような働きを発揮する貴男。風太を抱っこし続けて鍛えた腕力が、こういうときにモノを言います。
貴男モード炸裂で肉体労働にいそしみつつ、日本の未来に思いをはせる。
私の母は団塊世代です。日本中で、彼女と同世代の人たちが「都合の悪いときだけ、老人枠」に入り、こういう作業ができなくなりつつあるのだと思うと、少子高齢化の恐ろしさを実感します。
なんとか窓を開閉し、風を入れられる状態になったので、早速、風太を特等席にご案内。
「お外も見えるし、風が気持いいよ。よかったね、風太。熱中症にならないでね」
パグ犬などの、お鼻がへこんだ犬は熱中症で命を落とす可能性が極めて高く。今夏の節電は彼らにとっても過酷な試練なのです。
「ここで、窓を開けてスイカ食べたら気持ちいよ」
と、貴子モードに戻って母に言うと、生協さんにスイカを注文していました。
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