「沖縄では『テーゲー』っていうけど、鹿児島弁は『てげてげ』って言うんだよ」
と、鹿児島出身の友達に教えてもらいました。
「まっきってる」は、忙しくててんてこ舞い、というようなニュアンスの、これもまた、鹿児島弁なのだそうです。
で、最近、「まっきってる」と「てげてげ」がマイブーム。
私は、東京生まれの横浜育ちなので、お国言葉に興味津々です。岩手出身の友達に、フル岩手弁で喋ってもらったところ、一言も理解できず「完全に二カ国話せます、レベルだよ」と感心したものです。青森弁は私の耳には、トルシエ監督の発言と同じに聞こえましたし。
「まっきってる」。
この語感から、「なんだかよく分からないけれど大変そう」な雰囲気が伝わってきます。標準語ならば、「忙しい」というべきところで、「まっきってる」と言われると、冷や汗をかきながらてんてこ舞いで、時間に追われている様子がありありと浮かぶ。
「忙しい」では伝えきれない、焦っている気持ちとか、あわあわしている様子までもが「まっきってる」には凝縮されていて、微笑ましくすらあります。
こういう仕事をしていると、「まっきって」しまうことが多々あって、近年では「テンパる」という言いかたをすることが多い。「テンパる」はもともとは麻雀用語で、それが一般的に使われるようになったものだけど、鹿児島弁における「まっきってる」のように、「忙しい」という状況に加えて、精神的にもオタオタしている感じを込めて相手に伝えることができる。
「忙しくて」という言いかたは言い訳がましく思うからか、「バタバタしてて」という人が多いのは、物理的な状況と心理的な状況を、一度に説明しようという気持ちなのかも知れないですね。
「てげてげ」も可愛く聞こえる。「適当」と言うと、なんだか人としていかがなものか? なイメージになるけれど、「てげてげ」だと許しちゃおうかな、という気分になる。そう感じるのは、私が方言を持たないせいなのかも知れないけれど、なんか、いい。
この時期は、帰省される人が多い。そして、帰省してきたばかりの人には、ふるさとの言葉がつい、出ちゃう人が少なくない。
お国言葉を持たない者にとっては、そんな「つい」が、ちょっと憧れでもあったりするのです。
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