3.11。テレビをつけると「あの日を忘れない」的な番組ばかりで、「1年くらいで忘れたりしないよっ。昨日のことのように覚えてるよっ」と、やり場のない気持ちをテレビ番組にぶつける。
風化させないように、というのは、大切だと思う。でも、まだ、何も終わっていないのに。「風化させない」というのは、どうなのだろう? いろいろな問題が解決してから言うべき言葉なのではないだろうか? などと、思ったりして。物書きにありがちの、言葉へのこだわりに悶々とする。
去年、夏くらいまで、私はやけに早起きだった。就寝時間に関係なく、5時とか6時とか、フリーランスにあるまじき時間帯にぱちっと目が覚めた。そして、「もうちょっと寝ようかな」という二度寝もできなかった。加齢によって、そういう風になるとは聞いていたけれど、こんなにぱきっと目覚めたりするものだろうか? と不思議だった。
秋頃から早起きしなくなり、二度寝もできるようになって、今ではすっかり元通り。「ああ、加齢現象じゃなかったんだなあ。やっぱりわたしは、宵っ張りの朝寝坊で、低血圧の人にありがちな起床時にボケっとするタイプなのだ」と再確認したのだけど……。
最近になって、『もしかしたら、あの早起きは、震災による一種の睡眠障害だったのかも知れない』と気付いた。
い、意外と、あたしデリケートなんだ……。
と、驚いてみたけれど。そうじゃない。デリケートという言葉とは縁遠い私の身にも、そんな異変が起きるくらいに。それくらい、大変なことが起きたってことなんですよね。
今もまだ、心を痛めたまま、それでも前を向いて懸命に生きている人たちがたくさんいることは、いつも、頭の片隅にあるし、これからも、ずっとそうなんだろうな、と思うのでした。
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