こんにちは。栗原貴子です。
昨日、書店をブラブラとしていて、『あ~~~』と心の中でつぶやいた。
本のタイトル、である。
幸せも豊かさも恋人も結婚も、「かんたんに」「一瞬で」「魔法の~」みたいな
感じで手に入れられますよ系、な本のタイトルがずらりと並んでおりまして。
平置きしてあったので、
その類似性を俯瞰で見ちゃったものだから、
なおさらに『いや、いや、ちょっと待ってよ』と思ったのでありました。
確かに、自分の気持ちを切り替えることができたら、一瞬で現実が変わる。
それは私も何度も経験してきたから、真実だと断言できる。
けれどね。
肝心の「気持ちを切り替える」ということは、一瞬ではできないのである。
最近、多くの戸建て住宅は、プラモデルみたいにあらかじめ
できあがったパーツを組み立てるように作るので、あっという間に完成する。
しかし、都内の場合、更地に建てるわけではないので、
すでに立っている建物の取り壊しや整地という作業が必須だ。
建物を建てられる状態にするまでの作業は、非常に時間がかかる。
それと、同じなのだと思う。
「現実化」「引き寄せ」は「戸建て住宅を建てる作業」の段階であり、
もう、あっという間に外壁が、屋根ができてるわよ!と目を見張る。
しかし、
その状態にもっていくまでの、取り壊しや整地は
騒音も激しいし、振動もする。
作業をしている人も、端で見ている人も、ご近所さんも、苦行だ。
恋愛とか仕事とか、人間関係とか
いろんなことがうまくいかなくて、悩んでいて、
「かんたんに」「一瞬で」「魔法の~」に惹かれて本を手にする人の多くが、
壊さなくちゃいけない建物(ネガティブな思考パターン等々)が残っている状態だったり、
土地を整地するように、自分の精神状態をフラットに整えることが必要な段階だと思う。
それは、ある程度、時間がかかることなのだ。
そして、その時間には葛藤がつきものだ。
結果が出ない、成果が見えない、私はこんなに一生懸命、取り組んでいるのに!
という気持ちになるから。
住宅と違って、目で見て作業がどのくらい進んでいるのかを確認することもできない。
血液や尿を採取して検査をすれば「だいぶ、ポジティブになりましたね」と
診断を受けられるわけでもない。
さらに、こういうことに取り組んでいるとき、心がデリケートになっているので、
ふとした出来事に、自分でもびっくりするぐらい傷つくこともある。
季節の変わり目にお肌が敏感になっているようなものなのだけど、
「一瞬で」を期待している身としては、がっかりしてしまうだろう。
もしかしたら、私が昨日、書店でタイトルだけを見た
本の中身をきちんと読めば、
そういうことはちゃんとフォローされているのかも知れない。
タイトルだけでモノを言っています。すいません。
ただ、「すぐに成果が出なくても、めげないで! 大丈夫! よくあることよ」
とお伝えしたかったのでした。
そういう本を手にする女性は、
真面目で、キュートで、純粋な人が多いと思うから。