30歳前の女子の多くが言います。「30歳までに結婚したい」と。しかし、「なぜ、30歳までに」と思うのか? と突き詰めると、合理的な理由を答えられる人はほとんどいません。そう、単なるイメージの問題なのですね。
私はバツイチですが、結婚は29歳(30歳になる、ぎりぎり1ヶ月ちょっと前)でした。結果論でしかないけれど、正直なところ、「30歳までに」という思いがあり、ゆえに「焦った」ふしがあります。そして、バツイチ、という結果になったことと、この「30歳までに」というのは、因果関係がなかったとは言い切れません。
人は焦ると冷静な判断ができなくなります。盲目的になってしまうのですね。結婚前にちらりと浮かんだ疑問や、解決しておくべき問題なのでは? と思った出来事も、盲目ゆえにスルーしてしまう。けれど、一度はスルーした事柄は、いつしか再浮上してきます。きちんとしておくべきときに、きちんとしておかなかったツケは確実にやってくるのですね。
以前、雑誌『LUCi』で、この「30歳までに結婚」というテーマで特集を担当したのですが、このときに取材をした産婦人科医のドクターによると、多くの女子が思う「出産のことを考えたら、30歳までに」という理由には、なんら根拠がないそうです。出産は、24歳をすぎたら35歳までの約10年間、年齢ではなく、本人の健康状態や体力のほうが大きく関わってくるのだそう。つまり、「不健康で体力のない27歳」と「健康で体力のある32歳」だったら、後者のほうが出産への問題が少ないのだそうです。
29歳で結婚したとき、白状すると、『ダメなら離婚すればいいのだ』という思いがありました。そして、結婚自体も『一度はしてみたい』と思っていた。要するに、結婚を軽く考えていたのです。この浅はかな考えが多くの人に迷惑をかけ、人を傷つける結果となったのです。
私の周りには、20代後半から30代前半の独身女性が多くいますが、彼女たちは「結婚していない自分」をシビアに受け止めています。そして、不安にも思っている。「結婚していない自分は何か欠落しているのではないか」と。
確かに、「結婚して一人前」というムードは今だに根強いし、子を持っていないことについても、「大人になりきれていない」とみなされることもある。けれど、果たしてそうでしょうか?結婚して子どもを持っている人だって、大人になりきれていない人も多いし、やりきれない事件を起こす親も少なくありません。結婚すれば、子どもを持てば、自動的に「大人になれる」のではなくて、結婚や親になることは「大人としてしっかりせねば」という自覚を持つきっかけであって、大人になれるもなれないも、自分次第、なのですよね。結局は。
私は今、パグ犬・風太の”お母さん”です。そして、ワーキング・シングル・マザー。犬とはいえ、ひとつの命を養っていくことは、精神的にも経済的にも大変です。風太は子犬から飼った犬ではなく、成犬(2歳半)になってから里子として迎えた犬なのですが、里子ならではの苦労もありました。その一方で、私自身の成長にもなっているし、風太を通じてステキな交友関係を持つことができて、生活が一変しました。
成長するきっかけは、結婚や親になること以外にも、あるのだな、と痛感しています。一人暮らしをはじめるとか、上司になるとか、新しい「責任」を負い、その「責任」を全うしようと努力することが、成長のきっかけになるのですね。
これから結婚するみなさんへ。結婚は年齢でするものではありません。もちろん、世間体とか親のためにするものでもありません。
「なぜ、結婚したいのですか?」
そう問われたときに。年齢とか親のこととか、世間体とか、「一度はしてみたいから」とか、そういうことじゃない、他人を自分を100%納得させられる「理由」が浮かぶかどうか、考えてみてください。