新緑の美しい季節になりました。
先週、仕事で丹沢に行ったときに撮影しました。たまには、自然を体感することが、必要なのだなあ、とシミジミ。仕事でしたが、とても気持ちのよい時間を過ごせました。
活字中毒のワタクシは、外出先でひとりでお茶をするときに、活字が欠かせません。持参した本や雑誌がないときは、出先で調達。銀座でぶらりと入った書店で、吉行淳之介さんの『恋愛論』(角川文庫)を購入したのですが…。
この本、マジで大大おススメです!
「男ゴコロが分からん」という人や、「結婚しても男と女でありたいの」と思っている女子は必読の書です。昭和48年に初版発行の本なので、男女の出会いの場がダンスホールだったり、プレゼントの予算が300円!だったりと、時代の違いを感じる記述も多いのですが、根本的な男と女の関係とか恋する人の気持ちは普遍。現代に生き、恋に悩む女子がバイブルにしてもいい、というかバイブルにしたほうがいい、と思う充実の内容です。
興味深いのが、昭和48年の時点で、著者が「結婚という、旧態依然とした制度」と書いていらっしゃるところ。35年も昔に、すでに「旧態依然」と感じていたのですね、吉行淳之介先生は。この本が書かれる2年前に生まれた私が「結婚って、現代の生活にマッチしてないシステムなのでは?」なんて思うのは、当たり前だったのね! と、喜びでうち震えました。
「一度は結婚してみたかった」という、「一度はクリスピー・クリーム・ドーナッツを食べたい」と思うのとさほど変わらない動機で結婚して、バツイチとなった私が「結婚」という制度をまったく理解していなかった、というか、勝手に解釈していたことを再確認。そして、この制度に向いてないことも、よく分かりました。
振り返ると、「結婚してよかったなあ」と思うことがほとんどありませんでした。
一人暮らしをしていたので、生活上の不便もほとんどない。パソコンだって、自分で接続できるし。「ひとりで怖くて眠れない」なんていうこともないし。そりゃ、イマドキのAV機器は持ってないし、操作もできないけれど、「最新型のテレビを買って困ったときは電気屋さんに来てもらえばいい」と思ってる。ブルーレイとDVDについて、まったく知らなかったけれど、先日、美容院に行ったときに、21歳のイケメン・アシスタントに教えてもらったから、もう大丈夫。もしも、夫に「ブルーレイって何?」って聞いたとしたら、「オマエ、そんなことも知らないの?」と一度、バカにされてから偉そうにレクチャーされたことであろう。21歳は「そんなことも知らないんですか?」なんて口が裂けたって言わないから、ムカつくこともなく精神衛生上もよろしい。これからは、AV機器について知りたくなったら美容院に行けばいいもんね。
自分を養うぐらいの収入はある。
で、夫が「子どもはいらない」と言ったとしたら?
『アタシ、何のために結婚したの?』と疑問に思うことを止められなかったのです。
結婚と恋愛は別、と言うではありませんか?
まったくその通りでね。人は人に聞くわけです。「結婚して何年?」と。「出会ってから、何年?」とは聞きません。そして人は「結婚暦」を重んじる。
「交際5年、結婚5年、合計10年」というAさんと、「交際1年、結婚9年、合計10年」というBさんがいたとしたら、圧倒的にBさんのほうが「エラい」と思われる風潮がある。
ここで言いたいのは、「結婚は長いほどエラい」と思われる「理由」について、なのです。
なんで、世間は「エラい」と思うのか? というと、恋愛に比べ、結婚が「苦痛」だから。苦痛を長くやっているBさんのほうが、偉いじゃん、ということなのですよね。実際問題、Bさんの結婚生活はじつは、仮面夫婦で、結婚2年目からじつは夫婦、それぞれに恋人がいて…なんていう状態かも知れないのだけど。
そんなこんな、男女のさまざまなお悩みを、この『恋愛論』はズバッと確信をついているのです。だから、おススメなのでした。