昨日、美容院で雑誌を見ておりましたら。
広告にパグ。しかも、ダブルで。
その昔、ヨーロッパの貴族の間でパグは大変、人気でした。だから、このたび、ルイ・ヴィトンの広告にパグ犬が起用されたのでしょうか? つぶれ系ヴィジュアルがお好きなようで、このヴィトンの広告のシリーズ、狆が登場しているヴァージョンもありました。
「この2頭はきっと、きょうだいだね~。顔と体格はすごく似てるし、年齢も同じだけど、体毛の色が違うね。右のコは白っぽいけど、左の子はグレーっぽい。どういう基準で選んだのかなあ? オーディションとか楽しそう♪ いいなあ」
と、嬉々として喋りはじめた私に、美容師さんとアシスタントさんは、
「すごい、詳しいですね……」
と、ちょっと引き気味で、でも、接客のプロらしく、対応してくださいました。
はにわさんは、柴犬がお好きなんですね! うちの近所の柴ちゃんは、お散歩途中で座り込んじゃうのですが、「一緒に歩こうか」と声をかけると、歩きだします。可愛いです。
さて。全然、話が変わりますが。
裏のお宅の新築工事がだいぶ、進んできました。
大工さんチームが来るようになってから、本日、わたくしは、はじめての終日在宅なんですけどね。
10時、12時、15時の休憩時間になると、ずっと電話で喋っている声が聞こえるんです。
でも、何をしゃべっているのか聞き取れない。
で、15時の休憩になりましたので、ちょっと聞き耳を立ててみました。
日本語じゃなかった。
休憩時間中、ほぼ、ずっと喋っています。一体、誰に電話をしているのか? 彼女とか奥さんと話しているのでしょうか? 会話の中身も分かりませんから、何をしゃべっているのかも分からず、愛の囁きなのか、与太話なのか、深刻な相談なのかも、判断できません。
棟梁と思しき年配の男性(日本人、演歌が好きらしい)と、少しは日本語で会話をしているようだけど、ふたりの会話が盛り上がっている気配はない。むしろ、異国の言葉での電話のほうが、盛り上がっているっぽいです。
新築するお宅は、二世帯住宅になるらしいのです。もともとはおばあちゃんが一人で住んでいました。で、そのおばあちゃんが、工事の具合を見に、ときどき、やってこられます。
近所の方々に、「立派な家になるねえ」と言われ、おばあちゃん、まんざらでもない様子で「三階建てなのよ」と答える。すると、
「あら。高層ビルだ!」と、誰かがジョークをかまし、ハハハという笑い声が。
しかし、その和気あいあいをぶち破ったのは、施主のおばあちゃんでした。
「お金がないのに、建てるのよ。いやになっちゃう」
「………」
会話相手のご近所さんは、私と同様に、日々、工事の騒音にまいっちんぐな人たちです。雨戸を閉め切っているお宅もあるし、日中の砂埃が気になるから、「お洗濯は夜に干して、朝、取り込む」のがいつの間にか、この界隈の人々の習慣になりました。
『いやになっちゃうのは、こっちだよ……』
あの瞬間、みんながそう思っていたことでしょう。
謙遜は、けっして美しいことじゃないのだ、ということを学んだわけですが……。
こんなに聞き耳を立てている私も、どうかと思う今日この頃です。